どうも、こぐまんです。今日はテレビ番組でも特集された「ウイリアムズ症候群」についてまとめてみました。2万人に1人という割合で発症すると言われている俗に言う「優しすぎる病」を紐解いていきましょう。
ウイリアムズ症候群とは?
ウィリアムズ症候群とは隣接遺伝子症候群といわれるもので、細胞内にある染色体に隣り合う、関係のない複数の遺伝子が同時に、欠失してしまったりすることで、障害がおこり発症するものだと考えられています。特徴(症状)としては、妖精のような顔つき、心臓疾患を含む身体的な病を持つことが多いなどがあげられます。歳を重ねるごとに精神疾患や高血圧の症状が進んでしまう疾患であると言われているので、これらの症状に対しては長期的に医療的な治療を続けることが必要な疾患だといわれています。
たった25個の遺伝子の欠けが原因
私たちの体には、2万~2万5千個もの遺伝子があります。ウィリアムズ症候群の原因は、7番目の染色体上にある、25個の遺伝子が欠けていることが原因になっているといわれています。たった25個の遺伝子を失うことで、心身的に大きな影響を与えてしまうのです。
なぜ「優しすぎる病」と呼ばれるの?
ウィリアムズ症候群の患者さんたちは皆、思いやりがあり、とても人懐っこいのです。なぜ25個の遺伝子の欠如がこのような人懐っこさや本能のままに行動する抑制の無さをもたらすのかはよくわかっていません。ウイリアムズ症候群の方々、特に子供に至っては、偏見というものが全くなく、特徴である妖精(エルフ)のような顔立ちと誰にでも偏見のない人懐っこさや思いやりから、「優しすぎる病」と呼ばれるようになりました。
「優しすぎる」事の危険性
ヨーロッパの研究チームは、「もしウイリアムス症候群であろうとなかろうと、たいていの子供は思いやりがあり、偏見もなく誰にでも平等に心を開いていると思っているなら、それは間違いだ。」と言います。研究チームはウイリアムス症候群の子供たちと、一般的な子供たちとの比較を記録しました。感情移入についてのある実験で、子どもの目の前で、大人の実験者がテーブルに膝をぶつけてひどく痛がっているという状況です。結果は、一般的に発達している子ども達はただ見るだけで感情移入や気遣いはあまり示しません。しかしウイリアムス症候群の多くは実験者に近づいて痛がっている膝をなでながら「どうしたの?」と尋ねます。
しかし、感情移入は警戒心の無さになることもあります。別の実験では、部屋に見知らぬ人間を入れました。普通の人ではなく、野球帽を深くかぶり、濃いサングラスをかけた大人です。一般的な子供たちは彼にまったく近寄りません。しかし、ほとんどのウイリアムス症候群の子供たちは、彼に話しかけ、さらに彼におもちゃで遊ぼうと言い出すケースもありました。この、警戒心のなさや人懐っこさは、現代社会では危険に巻き込まれる可能性があります。
まとめ
とても珍しいこの「ウィリアムズ症候群」ですが、日本にも年に50人程が発症し、産まれてきます。これは、染色体が欠けていることが原因なので、治療することは今はできません。しかも、身体的・精神的な発達障害があり、重大な合併症をいくつも持っていることが多く、本人も家族にも大変な病気です。ですが、ウィリアムズ症候群の方々は、感情豊かで、思いやりがあり、誰にでも手を差し伸べることができ、おしゃべりや音楽が大好きな方が多いのです。身近にいるかもしれないので、もし出会った時は、気軽に話してみてください。きっと仲良くなれるはずです。